国外のOERの状況

北米を中心として,OERの集約および再利用が進んでいます.例えば,アメリカ・シリコンバレーに本社があるNPO団体 ISKME(the Institute for the Study of Knowledge Management in Education) が提供する OER COMMONS​ は世界中から50,000件以上のOERが登録,公開されています.OER Commonsは以下のような特徴を持っています.

  • 自動的にOERを収集しているのではなく,コンテンツ作成者がメタデータを付与した上でOERを提供.共有されたOERはライブラリアンがチェック.

  • OER Hubという機能を提供しており,テーマや機関ごとにOERをまとめたグループを作成・公開することが可能.

  • Pressbook(電子書籍公開用CMS)やOER作成のための「Open Author」というCMS的な機能もウェブサイト内で提供.

  • OER活用のための教育プログラム等も開催.

OER Commonsのトップページ

OER Commonsは多様なOERを集約したリポジトリですが,OERの中でもオープンテキストブックと呼ばれる無料で閲覧できる教科書を登録・公開する BC Campus という取組もあります.BC Campusは,カナダ,ブリティッシュコロンビア州の高等教育省が予算提供したオープンテキストブックプロジェクトです.現在,100冊以上を提供され,多言語化対応も進んでいます.

BC Campusのトップページ

また,実際にOERを自身の授業で教員が利用することを想定して,学習するための資料とクイズを組み合わせたパッケージを公開,LMS上ですぐに利用できるようにした OpenStax もあります.

OpenStaxのトップページ

上記が代表的なOER用のプラットフォームですが,他にもOERを集約したリポジトリには Merlot Project Gutenbergといった有名なものがあります.

なお,UNESCO主導のOERの推進も進められており,これまでに2回宣言も提唱されています.

2012年 UNESCO パリ OER宣言​

*公的資金により制作された教材のオープンライセンス化を推奨​

2019年 UNESCO OERに関する勧告​

*OERの生成・活用のための能力開発や政策の策定等を推奨

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