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  • オープンバッジ利活用に向けたガイドライン version 1
  • マクロ/マイクロクレデンシャルの背景
    • クレデンシャルに関する世界の公的機関/団体による取組
    • オープンバッジに関する国内外の取組
  • オープンバッジの仕組みと活用の視点
    • オープンバッジの規格と1EdTechの認定プロダクト
    • 発行されたオープンバッジ活用の視点
  • オープンバッジを発行・管理するための参考情報
    • バッジを発行/管理するサービスの選定とチェックリスト
    • オープンバッジの設定と発行
    • オープンバッジのイメージ画像作成
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  1. オープンバッジの仕組みと活用の視点

発行されたオープンバッジ活用の視点

本ページでは発行されたオープンバッジをどのように利活用すると良さそうか,先行研究等をもとに活用の視点としてまとめています.

Previousオープンバッジの規格と1EdTechの認定プロダクトNextオープンバッジを発行・管理するための参考情報

Last updated 5 months ago

先行研究におけるオープンバッジの利用シナリオ(本ページ下部に記載)を踏まえると,オープンバッジを活用するための視点は以下4つに再整理できると考えられます.

1. Badges as a motivator for behavior(行動の動機付けとしてのバッジ)             自身が獲得した知識・スキルを可視化するマイルストン・報酬としてのバッジ.​

2. Badges as a pedagogical tool(教育ツールとしてのバッジ)​                   自身が現時点で何を勉強しなければならないのか,自身もしくは他者のラーニングパスを確認することで,スキルセットや学習順序等を理解できる.

3. Badges as signal or credential(シグナル/クレデンシャルとしてのバッジ)           学習者が対象となる知識・スキルを保有していることを証明するものとしてオープンバッジを利用する.

4.Badges as a community Support(コミュニティサポートとしてのバッジ)            コミュニティ内でオープンバッジを保有している人物の可視化,他のユーザとのつながりを生成する.​

上記は,Mozilla他(2012)が提唱した Open Badges for Lifelong Learning で言及されている利用シナリオと,Ahn他 (2014)のバッジに関する研究や理論的な文献のレビューを実施,文献を3つの利用目的に分類・整理した情報をもとに作成しています.Mozilla他(2012)とAhn 他(2014)の研究で言及されているオープンバッジの利用シナリオ・利用目的は共通項が多く,例えば,Mozilla他(2012)のラーニングパスの捕捉は,他者のバッジを見て必要なスキルや学ぶ順番を判断できることから,Ahn 他(2014)の教育ツールとしてのバッジで言及されているラーニングパスの視覚化という点と共通すると考えられます.

Mozilla Foundation, Peer 2 Peer University, & MacArthur Foundation, Open Badges for Lifelong Learning: Exploring an open badge ecosystem to support skill development and lifelong learning for real results such as jobs and advancement, (2024年10月21日参照)

1.文脈を越えた学習の捕捉と変換

1.1.ラーニングパスの捕捉 学位や成績ではラーニングパスは抽象化される.       バッジは特定のスキルや資質のセットを明示的に表現することができる.これにより,他者のバッジのセットを見て,学ぶべきスキルや学ぶ順番を判断することができる.

1.2.達成状況の発信 バッジはスキルや成果を仲間や外部の人に対して表すことができる. 採用担当者はバッジをもとに特定の要件を満たす人材を見つけることが可能となる.このように,バッジは従来の学位よりも詳細で多様なスキルを表現するものとして機能する.

2.学習への参加推奨および動機付けと学習成果

2.1.動機付け                                    バッジは学習コースにおけるマイルストンや報酬として機能することで,継続的な参加を促す.                                   バッジは、学習者にスキルやトピックを認識させ,新しいパスに着手,そのスキルを延ばすために多くの時間を費やすように促す.

2.2.イノベーションと柔軟性の支援                          バッジは公式なチャネルでは見落とされがちなスキルの把握やデジタルリテラシーのような新しいスキルを捕捉するために利用できる.またイノベーションの出現に応じて,それを評価する柔軟性を持つ.

3.インフォーマルな興味に基づく学習の社会的側面のフォーマル化と高度化

3.1.アイデンティティおよび評価の構築                         バッジは学習コミュニティ内でのアイデンティティ形成や評判向上を助ける.コミュニティ内で既に発生している可能性があるアイデンティティと評判の育成について,より明確なものとし,ポータビリティも高める.

3.2.コミュニティビルディング/親近感                         バッジは,特定のコミュニティやサブコミュニティへの所属を示し,同じ興味を持つ仲間やメンターとの繋がりを促進する.

Ahn, J., Pellicone, A., & Butler, B, S., Open Badges for Education: What Are the Implications at the Intersection of Open systems and Badging?, Research in Learning Technology, vol.22, pp.1-13, 2014

1.Badges as a motivator for behavior (行動の動機付けとしてのバッジ)

バッジ使用の方法としてゲーミフィケーションがある.様々なオンラインコミュニティにおいて,バッジや他のインセンティブメカニズムはユーザの参加増加と関連している.

2.Badges as a pedagogical tool (教育ツールとしてのバッジ)

バッジが学習者に見えるシステムでは,バッジはコンテンツや学習のラーニングパスを視覚化する方法として役立つ.丁寧に構造化されたバッジのシーケンスは,ユーザに望ましい行動を伝える.適切に設計されたバッジは,学習者が計画を立て,進路を描くための道標となる.

3.Badges as signal or credential (シグナルもしくはクレデンシャルとしてのバッジ)

卒業証明書等の伝統的なクレデンシャルの代替または補完となる.潜在的な知識やスキルを他者に示し,他者はこれらの資格証明を用いて,その保有者について選別,評価などを実施する.

https://wiki.mozilla.org/images/5/59/OpenBadges-Working-Paper_012312.pdf